2026年8月15日土曜日

戯画は今どうなっている?――『パルフェ』の販売終了から見えてきたエンターグラムという会社

 


昔のエロゲを久しぶりに遊んでみようと思った。

『YU-NO』『Fate』『群青の空を越えて』『Kanon』『AIR』。そして戯画の名作『パルフェ ~ショコラ second brew~』。

ところが調べてみると、ちょっと妙なことに気がついた。

あれ? 戯画ってなくなったんだっけ?
じゃあ『パルフェ』の権利って今どうなってるの?

気になったので調べてみたら、単なる「昔のエロゲブランドが潰れました」という話ではなかった。

戯画は2023年に約30年の歴史を終えた

美少女ゲームブランド「戯画」は、2023年3月31日をもって開発・販売・サポートを終了した。

『V.G.~ヴァリアブル・ジオ~』『BALDR FORCE』『BALDR SKY』『パルフェ ~ショコラ second brew~』『この青空に約束を―』など、90年代から2000年代の美少女ゲームを知っている人間なら、一度くらい名前を聞いた作品を何本も送り出してきたブランドだった。

ブランド終了と聞けば、

「会社がなくなったのかな」

と思ってしまう。

ところが、ここが少し違う。

戯画ブランドの終了を発表したのは株式会社エンターグラムだった。

エンターグラムは今も普通にゲームを作っている

エンターグラムは現在も存在するゲーム会社で、公式にはゲームソフトの企画・開発・販売を事業としている。2026年現在も新作やダウンロードタイトルを継続的に展開している。

つまり、

戯画というブランドは終了した。
でも、その後ろにいたエンターグラムまで消えたわけではない。

ここを私は完全に勘違いしていた。

しかも現在のエンターグラムを見ると、「昔のエロゲ資産を細々と管理しているだけの会社」という感じでもない。

むしろ新しい美少女ゲームIPをかなり積極的に育てている。

代表例が『制服カノジョ』だ。

『制服カノジョ』はすでに3作目

2024年に始まった『制服カノジョ』シリーズは展開を続け、2026年9月10日には『制服カノジョ3』が発売予定となっている。

しかも商品構成がなかなか強気だ。

通常版8,778円、DL版8,360円に加えて、19,800円のキャラクター別BOX、さらに**30,800円の「デキ愛BOX」**まで用意されている。1・2・3をまとめた26,378円のセット商品まである。

さらに関連イベントも展開しており、『制服カノジョ3』の豪華版にはイベントの先行抽選申込券まで付けている。

この売り方を見て、少し印象が変わった。

今の美少女ゲーム市場で生き残るには、昔のようにPCゲームを一本売って終わりでは厳しい。

そこで、

ゲームを売る
→ キャラクターを育てる
→ 豪華版を売る
→ グッズを展開する
→ イベントにつなげる
→ 次回作を出す

という形で、一人のファンから得られる売上を大きくしていく。

客が100万人いなくてもいい。

濃いファンが一定数いて、その人たちが1万円、2万円、3万円の商品を買ってくれれば、小規模な会社でもIPを回していける。

少なくとも『制服カノジョ』を3作目まで展開し、高価格帯の商品やイベントまで用意している現状を見る限り、エンターグラムはこの商売の仕方をかなり意識しているように見える。

それなら、なぜ『パルフェ』をもっと売らないのか?

ここで疑問が出てくる。

『パルフェ』なんて、今でも名前を知っている人がかなりいる作品だ。

しかも2021年には『パルフェリメイク』まで制作された。

だったら、

「戯画を終了しても、名作だけずっと売ればいいじゃん」

と思う。

ところがエンターグラムは、2025年9月30日をもって『パルフェリメイク』のPS4・Nintendo Switch版を含む多数のタイトルの販売を終了している。

販売終了の直前、2025年夏には『パルフェリメイク』をセール対象として1,474円で販売していたことも公式サイトに残っている。

つまり、

売れなくなって自然消滅したわけではなく、エンターグラム側が明確に販売終了日を設定している。

なぜ終了したのか。

少なくとも今回確認した公式発表には、個々の作品について詳しい理由までは書かれていない。

ここから先は推測になる。

ゲーム一本には、ブランド名、シナリオ、原画、音楽、キャラクター、移植版など、さまざまな権利や契約が絡む。

「昔のゲームだから、今持っている会社が好きなだけ永久に売れる」

とは限らない。

だから『パルフェ』級のタイトルでも販売が止まることはあり得る。

戯画の版権は誰が持っているのか?

これが一番気になるところだった。

「戯画がなくなったなら、誰かが作品をまとめて買えばいいのでは?」

私も最初はそう思った。

けれど、現時点で**「戯画の全IPを別の会社がまとめて買収しました」という公表された動きは確認できない**。

一方、戯画終了そのものはエンターグラムから発表されており、終了後もエンターグラムが旧戯画作品のコンシューマ版を販売していた。

だから少なくとも、

戯画終了 → 権利が全部宙に浮いた

という単純な話ではなさそうだ。

むしろ作品ごとに権利・契約関係が違い、再販できるもの、できないもの、一定期間だけ販売できるものなどが存在する可能性を考えた方が自然に見える。

もったいなくないか?

『パルフェ』だけではない。

『BALDR SKY』
『この青空に約束を―』
『ショコラ』
『さかあがりハリケーン』……

戯画には、今でも名前だけで反応する世代がいる。

しかも昔と違って、Steamをはじめとするダウンロード販売が一般化した。

物理パッケージを大量生産して全国のショップへ流通させなくても、旧作を販売できる時代だ。

だからこそ、

「こんな有名IPが眠っているのはもったいなくないか?」

と思ってしまう。

もっとも、外から見て「売れば儲かりそう」と思うことと、実際に権利を整理して商品化できることは別問題なのだろう。

それでも、昔遊んだ人間としては惜しい。

戯画は死んだ。でも、その系譜は意外と元気だった

今回調べてみて、一番意外だったのはここだった。

私は、

「戯画終了=この辺の会社もみんな虫の息」

くらいに思っていた。

実際にはエンターグラムは2026年現在も新作を発表し、ダウンロードセールを行い、イベントを企画し、新しいシリーズを育てている。

『制服カノジョ3』では3万円を超える豪華版まで売る。

これはある意味、昔のエロゲ会社とはかなり違う商売だ。

「PC用18禁ゲームを一本作って売る」のではなく、美少女ゲームのIPそのものを商売にする会社へ変化しているように見える。

だから戯画はなくなった。

けれど、その先にある会社まで衰退して消えたわけではなかった。

むしろ市場が縮小したからこそ、売り方を変えて生き残っている。

そう考えると、エンターグラムという会社はなかなか面白い。

そして私は『パルフェ』を放置している

ここまで長々調べておいて何なのだが、私は現在『パルフェ』をプレイ途中で放置している。

『YU-NO』も。
『Fate』も。
『群青の空を越えて』も。
『Kanon』も。
『AIR』も。

全然進んでいない。

ゲームをプレイするより、

「この会社いまどうなってるんだ?」

を調べている方が先に進んでしまった。

昔からこういうところは変わらない。

そのうち『パルフェ』そのものの感想も書こうと思う。

たぶん。

いつになるかは知らない。

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