2026年8月17日月曜日

ツンデレの元祖は誰なのか――そして20年後、世界はツンデレになった

 


せっかくブログ名に「ツンデレ」と冠しているのだから、今さらながら一度くらい、

「ツンデレの元祖って誰なんだ?」

という話をしておこうと思う。

散々語り尽くされたテーマではある。

しかも私自身、昔はこの辺のことをかなり覚えていたはずなのに、20年近く経った今となってはだいぶ記憶が怪しい。

そこで今回は遠坂凛に解説してもらおう。


衛宮士郎:

なあ遠坂。

結局、ツンデレの元祖って誰なんだ?

遠坂凛:

いきなり面倒な質問するわね。

まず「ツンデレという言葉の元祖」と「ツンデレ的なヒロインの元祖」は分けた方がいいわ。

衛宮士郎:

違うのか?

遠坂凛:

当たり前でしょう。

「ツンデレ」という言葉が生まれるより前から、ツンデレみたいな女の子なんていくらでもいたんだから。


そう。

これを忘れちゃいけない。

昔のヒロインなんて、かなりの割合でツンデレだったのだ。

というより、考えてみれば当然である。

主人公と出会った瞬間、

「あなたが好きです!」

で何の障害もなく話が進んでしまったら、恋愛物語にならない。

最初は反発する。

喧嘩する。

誤解する。

嫉妬する。

素直になれない。

そういう摩擦があるから物語になる。

つまり後世になって「ツンデレ」と名付けられたものは、昔から恋愛物語の中に大量に存在していた。


衛宮士郎:

じゃあ、昔のキャラなら誰だ?

遠坂凛:

誰を最初とするかなんて決められないわよ。

でも「ツンデレの元祖」と言われて、多くの人が納得しやすいところなら……

鮎川まどかじゃない?

衛宮士郎:

俺も鮎川でいいと思う。

南ちゃんだってツンデレっちゃツンデレだし、響子さんだってそうだろ。

詳しく知らないけど『あしたのジョー』のお嬢様だってそういう系統じゃないのか?

遠坂凛:

だから遡り始めたらキリがないのよ。


個人的には、鮎川まどかを「古典ツンデレの代表」くらいに置いておけば一番収まりがいいと思う。

ラム?

あれは私の中ではツンデレというより暴力女である。

もちろん異論は認める。


私がツンデレの良さを認識したのはアスカだった

衛宮士郎:

でも俺が「こういう女いいな」と初めて明確に思ったのはアスカなんだよ。

遠坂凛:

惣流・アスカ・ラングレーね。

あれはもう完全にツンデレでしょう。

強気。

プライドが高い。

能力にも自信がある。

弱いところを他人に見せたくない。

衛宮士郎:

そう。

俺はたぶん、ツンデレの「ツン」が好きなんじゃないんだ。

遠坂凛:

じゃあ何が好きなのよ。

衛宮士郎:

折れてほしいんだよ。

遠坂凛:

……言い方。


でも、たぶんこれが一番正確だ。

私は、最初から弱い女の子が嫌いなわけではない。

でもツンデレに求めているものは別にある。

孤高で、強くて、自尊心が高くて、簡単には他人に媚びない女が、感情の前で崩れる。

そこがいい。

だから私は、いわゆる小柄でキャンキャン怒鳴るタイプより、

高嶺の花型ツンデレ

の方が圧倒的に好きなのだと思う。


そして「ツンデレ」という言葉が生まれた

衛宮士郎:

で、「ツンデレ」って言葉自体はいつ出来たんだ?

遠坂凛:

2000年代初頭ね。

その成立史でよく名前が出るのが『君が望む永遠』の大空寺あゆ。

ネット上で「ツンツンデレデレ」といった表現が使われて、それが「ツンデレ」へ縮まっていったと言われている。

衛宮士郎:

ああ、それ覚えてる。

昔、大空寺あゆがツンデレの元祖みたいに言われてたんだよ。

遠坂凛:

それは「キャラクター類型の元祖」というより、言葉の成立に関わった代表キャラという意味で考えると分かりやすいわね。


そして2000年代。

ツンデレは大爆発する。

沢近愛理。

涼宮ハルヒ。

遠坂凛。

柊かがみ。

シャナ。

ルイズ。

逢坂大河。

ゲームまで入れれば遠野秋葉など、いくらでも出てくる。

もはや特殊属性ではない。

ツンデレという一大ジャンルが完成した時代だった。


沢近愛理は絶対に外せない

衛宮士郎:

ちょっと待て。

沢近愛理は絶対に外すな。

下手したら俺が一番愛したキャラだ。

遠坂凛:

はいはい。

『スクールランブル』ね。

高飛車で、プライドが高くて、お嬢様で、素直になれない。

播磨なんてどうでもいいみたいな顔をしながら、感情が思い切り振り回される。

衛宮士郎:

そう、それだよ。

遠坂凛:

つまり、優秀で、育ちが良くて、プライドが高くて、美人で、人前では強気なのに、好きな相手には素直になれない……

衛宮士郎:

遠坂。

遠坂凛:

何よ。

衛宮士郎:

さっきから自分の説明してないか?

遠坂凛:

…………。

誰がよ。

衛宮士郎:

いや、だって全部当てはまって――

遠坂凛:

衛宮君?

衛宮士郎:

はい。


そう考えると遠坂凛もかなり私の好みに近い。

家柄。

頭脳。

能力。

プライド。

孤高さ。

ほぼ完璧である。

衛宮士郎:

遠坂って、かなり理想に近いんだよな。

遠坂凛:

……かなり?

衛宮士郎:

うん。

あとは胸が――

遠坂凛:

殺すわよ。


ツンデレには二つの系統がある気がする

2000年代のツンデレブームを振り返ると、少なくとも私の中では二種類に分かれる。

一つは、

高嶺の花・孤高型

鮎川まどか。

アスカ。

沢近愛理。

遠坂凛。

この辺。

そしてもう一つが、

ちんちくりん・喧嘩腰型

大空寺あゆ。

シャナ。

ルイズ。

逢坂大河。

このあたりである。


遠坂凛:

「ちんちくりん・喧嘩腰型」って分類名、もうちょっとどうにかならなかったの?

衛宮士郎:

分かりやすいだろ。

遠坂凛:

分かりやすければ何でもいいわけじゃないのよ。


2000年代後半になると、

「釘宮理恵にやらせておけばツンデレ」

みたいなイメージすら出来上がっていた気がする。

シャナ。

ルイズ。

大河。

このあたりは、ツンデレ史を語るなら絶対に無視できない。

私は正直、このタイプにはあまりピクリと来ない。

うるさいし暴力的だし、ちんちくりんだし。

その中ならルイズはまだかわいいと思うけど、私は『ゼロの使い魔』なら女王様の方が好きだったりする。

でも、それは単なる好みの話だ。

小柄で気が強く、主人公に猛烈に突っかかりながらデレる。

これも間違いなくツンデレの一大スタンダードになった。


『とらドラ!』はやっぱりすごい

ここで少し寄り道。

『とらドラ!』という作品自体は本当にすごい。

アニメとして異常なくらい出来がいい。

個人的にはほとんどケチの付けようがない。

その上でヒロインを見ると面白い。

逢坂大河は、分かりやすい小柄な攻撃型ツンデレ。

櫛枝実乃梨は、一見すると明るく健全で優等生的なのに、内側へ行くほどかなり危うい。

そして川嶋亜美。


衛宮士郎:

亜美って、あれも高嶺の花型ツンデレじゃないのか?

遠坂凛:

完全な典型ツンデレと呼ぶかはともかく、その系譜にはかなり近いわね。

美人。

モデル。

学校でも目立つ存在。

頭も回る。

他人のことはよく見えている。

でも自分の恋愛になると上手くいかない。

衛宮士郎:

そういうのがいいんだよ。


つまり私は、単にツンツンしている女が好きなのではない。

孤高であること。

それがかなり大事なのだと思う。


物語シリーズなら戦場ヶ原より羽川

その意味では『物語シリーズ』も分かりやすい。

戦場ヶ原ひたぎ。

あれも孤高で、頭が良くて、他人を寄せ付けない。

条件だけ見れば私の好きなタイプにかなり近い。

でも私は戦場ヶ原がそれほど好きではない。

暴力が過ぎる。

それより圧倒的に羽川翼が好きである。

知性。

自制。

孤独。

内側に抱え込んでいるもの。

そういう部分の方が刺さる。


『超電磁砲』なら美琴も好き。でも食蜂はもっとタイプ

衛宮士郎:

そういや御坂美琴もツンデレだな。

遠坂凛:

かなり王道でしょうね。

名門お嬢様学校。

能力者としてもトップクラス。

勝ち気。

上条相手には素直になれない。

衛宮士郎:

美琴も好きだけど、俺は食蜂操祈の方がタイプなんだよな。

遠坂凛:

……でしょうね。

衛宮士郎:

なんだよその納得。


食蜂はもう「女王」と呼ばれるキャラクターである。

これ以上分かりやすく私の好みを説明する必要もない気がする。


ツンデレは日本だけの文化なのか?

ここでふと疑問が出た。

これだけ日本で増殖したツンデレという概念。

海外のオタクには通じるのだろうか?

衛宮士郎:

なあ遠坂。

外国人にツンデレなんて分かるのか?

遠坂凛:

何言ってるのよ。

今は海外でも tsundere でそのまま通じるわよ。

衛宮士郎:

マジで?

遠坂凛:

マジよ。

日本語を無理に英訳するんじゃなくて、オタク文化の用語としてそのまま定着してる。

衛宮士郎:

じゃあ遠坂も海外でツンデレ扱いされてるのか?

遠坂凛:

……なんで私を基準にするのよ。

衛宮士郎:

分かりやすいから。

遠坂凛:

あんたねえ……。


これを聞いた時は、ちょっと感慨深かった。

20年くらい前。

ツンデレなんて言葉は、ごく一部の日本のオタクが使っている言葉だった。

それが今や海を越えて、

TSUNDERE

で通じる。

遠坂凛も海外で人気がある。

アスカもいる。

ツンデレという概念そのものが輸出されてしまった。


結局、ツンデレの元祖は誰なのか

改めてまとめよう。

キャラクター類型としてのツンデレの元祖なんて、本当は決めようがない。

昔の恋愛作品には、名前が付いていないだけでツンデレ的なヒロインが大量にいた。

その中で、古典的ツンデレの代表として一人選ぶなら、

鮎川まどか。

私はそれでいいと思う。

90年代にはアスカのような強烈なキャラクターが現れ、

2000年代初頭に大空寺あゆなどを巡って「ツンデレ」という言葉そのものが成立していく。

その後、

沢近愛理。

遠坂凛。

涼宮ハルヒ。

柊かがみ。

シャナ。

ルイズ。

逢坂大河。

御坂美琴。

数え切れないほどのキャラクターが続いた。

そして令和。

ツンデレは絶滅したのかと思ったら、院田唐音やアーリャのようなキャラがちゃんと生きている。

形を変えながら今も続いている。


衛宮士郎:

結局ツンデレって、なくならなかったんだな。

遠坂凛:

当たり前でしょう。

人間が素直になれない限り、なくなるわけないじゃない。

衛宮士郎:

なるほど。

……それに海外でもtsundereで通じるのか。

遠坂凛:

そうよ。

衛宮士郎:

俺が目指した世界が、20年経って実現してたんだな……。

遠坂凛:

急に大げさね。

衛宮士郎:

すべては遠き理想郷。

遠坂凛:

そこにそれ使うのやめなさい。

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