2026年9月21日月曜日

『THE BAND』はなぜ止まらないのか――『BECK』好きが5巻まで一気に読んだ理由

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ハロルド作石の『BECK』が昔から好きだ。

だから、新作のバンド漫画『THE BAND』も気にはなっていた。買ってはいたものの、しばらく積んだまま。ところが深夜、何となく読み始めた瞬間に止まらなくなった。手元にあった巻を読み切り、その勢いで最新5巻まで買ってしまった。

こういう時に改めて思う。ハロルド作石は、読者を「次のページ」に運ぶ力が異様に強い。

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動画:KODANSHA Books&Comics「『THE BAND』1st PV 完全版」

『BECK』完結から16年、再び始まった王道バンド漫画

『THE BAND』は2024年12月6日発売の「月刊少年マガジン」2025年1月号で連載開始。講談社自身が「『BECK』完結から16年、ハロルド作石が贈る新たなる王道バンド物語」と打ち出している。

2025年4月に第1巻が発売され、2026年8月には第5巻まで刊行。「全国書店員が選んだおすすめコミック2026」では第8位に入った。

物語は、新木友平が幼い頃、母親に連れられてバンドのライブを観る場面から始まる。アニメのタイアップ曲を演奏するバンドを見ながら、「自分でもこういう曲を作れるんじゃないか」と感じる。

そこから時間が進み、小学5年生になった友平は学校でいじめを受けている。そんな中で出会うのが、マタローと呼ばれる少年だ。実は二人は、幼い頃に同じライブ会場にいた。そこからギターを介して関係がつながり、二人で音楽にのめり込んでいく。

また主人公がいじめられている。でも、これはハロルド作石の「型」だ

『BECK』を読んだ人なら、序盤でまず気づく。

また主人公がいじめられている。

でも、これは単なる焼き直しには見えない。ハロルド作石は、敢えてひとつの強い物語フレームを何度も変奏しているように思える。

そのフレームを見て、自分が強く連想するのが藤子不二雄A先生の『まんが道』だ。

孤独だった少年が親友と出会い、二人でひとつの世界にのめり込み、その道を進んでいく。『BECK』にも、『RiN』にも、そして『THE BAND』にも、その骨格が見える。

しかも親友のあだ名は「マタロー」。見た目まで含めて『魔太郎がくる!!』を連想させる。

ハロルド作石本人が『まんが道』を下敷きにしていると明言した資料は、現時点では確認できていない。だからこれは自分の読みだ。ただ、ここまで繰り返されると、藤子不二雄A作品への強い敬意を感じずにはいられない。

そして自分自身、『まんが道』は何度読み返しても面白いと思う。だから、この骨格そのものが好きなのだと思う。

『BECK』のコユキとは違う

『BECK』のコユキには、早い段階から「歌」という天賦の才があった。普段は目立たない少年なのに、歌った瞬間だけ空気が変わる。その才能が物語を大きく押し出した。

『THE BAND』の友平は違う。

歌がうまいわけでもない。最初から誰もが振り向く天才でもない。それでも音楽に惹かれ、ギターを持ち、仲間と演奏し、自分の居場所を作っていく。

ここに今作の大きなメッセージがあるように感じる。

歌の天才じゃなくてもいい。特別な人間じゃなくてもいい。今が苦しいなら、音楽をやってみればいい。バンドをやってみればいい。

作品を読んでいると、その方向へ自然に引っ張られる。

音楽が人生を全部解決するわけではない。それでも、人と出会わせ、昨日までとは違う場所へ連れていき、自分でも知らなかった自分を見つける力はある。『THE BAND』は、その力を描こうとしているように見える。

ハロルド作石は「漫画を読ませる力」が抜群に強い

『ゴリラーマン』の印象が強いせいか、ハロルド作石を少しイロモノ的に見る人もいるかもしれない。

でも実績は圧倒的だ。『ゴリラーマン』で講談社漫画賞を受賞し、『ストッパー毒島』を経て、『BECK』でも再び講談社漫画賞を受賞。その後も『7人のシェイクスピア』『RiN』『ゴリラーマン40』と、異なる題材で長く作品を出し続けている。

自分は、この人の漫画家としての腕は業界でも屈指だと思っている。

特に強いのが構成とネームだ。大げさな事件を連発するのではなく、小さな出会い、失敗、成功、次の目標を絶妙な位置でつなぎ、読者に「もう少しだけ読もう」と思わせる。

今回も、買ってから放置していたはずの漫画を深夜に開き、そのまま最新巻まで買ってしまった。読者としては、それが一番わかりやすい証拠だ。

一度「ロックは全部出し切った」と感じた作者が、16年後に戻ってきた

過去のインタビューで、ハロルド作石は『BECK』連載後について「ロックに対するものはすべて出し切った」と感じていたと語っている。

その作者が16年後に、再び真正面からバンド漫画を描き始めた。

だから『THE BAND』は単純な『BECK 2』ではない。

一度描き切ったと思った題材を、年齢も時代も変わった漫画家がもう一度描く。その時に何を残し、何を変えるのか。そこがこの作品の面白さでもある。

『ぼっち・ざ・ろっく!』の大ヒット後に、ハロルド作石が戻ってきた

連載開始は2024年末。『ぼっち・ざ・ろっく!』が大ヒットした後だ。

『ぼっち・ざ・ろっく!』は序盤こそ、きらら作品らしい日常コメディの色が強い。しかし進むにつれて、ライブ、バンドとしての成長、人間関係、挫折と成功が物語の中心へ入ってくる。

これは完全に自分の見立てだが、その過程を読んでいて『BECK』の影響をかなり感じていた。

『BECK』が先に道を作り、その後の世代のバンド漫画が巨大な人気を得て、今度はそのハロルド作石本人が再びバンド漫画に戻ってきた。

この流れだけでも面白い。

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恋愛を前に出してこないのも『BECK』との違い

『BECK』では、コユキと真帆の関係がかなり早い段階から物語の大きな軸になっていた。音楽漫画であると同時に、青春恋愛漫画でもあった。

『THE BAND』は、5巻まで読んだ段階では意図的なくらい恋愛を前面に出していない。

今の中心は、友情、バンド、曲作り、ライブ、そして自分の音楽を探していくことだ。

同じ作者のバンド漫画でも、ここはかなり違う。

個人的には、このまま急いで恋愛に寄せなくても面白いと思っている。

……とはいえ、キャラクターとしては部長が好きだけど(笑)。

『BECK』好きなら、まず1巻だけでも読んでみてほしい

『THE BAND』には、『BECK』と似た部分が確かにある。

いじめられている少年。親友との出会い。ギター。バンド。そして音楽によって人生が少しずつ動き始める。

でも、主人公に与えられた才能も、恋愛の扱いも、作品が向かおうとしている場所も違う。

そして何より、ハロルド作石の「読ませる力」

深夜に読み始めて、気づけば最新5巻まで買っていた。それが自分にとって、この作品への一番正直な評価だ。

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→ 月刊少年マガジン公式『THE BAND』作品ページ


主な参照先:
月刊少年マガジン『THE BAND』公式作品ページ・新連載告知
講談社『THE BAND』第1巻・第5巻書誌情報
日本出版販売「全国書店員が選んだおすすめコミック2026」
音楽ナタリー「Coming Next Artists」ハロルド作石インタビュー
KODANSHA Books&Comics『THE BAND』1st PV 完全版

『エストポリス伝記 I&II』復活――30年経っても音楽が愛される理由と、作曲家・塩生康範さんの現在

『エストポリス伝記 I&II』復活――30年経っても音楽が愛される理由と、作曲家・塩生康範さんの現在

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2026年9月21日、タイトーから『エストポリス伝記 I&II』が2027年に発売されることが発表されました。対応機種はNintendo Switch 2、Nintendo Switch、PlayStation 5、Steam。1993年の『エストポリス伝記』と1995年の『エストポリス伝記II』が、30年以上の時を経て現行機に帰ってきます。

自分はこのシリーズをリアルタイムで遊び込んだファンではありません。昔、ニコニコ動画で「音楽がものすごく良いゲーム」として知り、曲を聴いたことがある程度です。それでも今回の復活ニュースを見て、まず思い出したのはやはり音楽でした。

調べてみると、そこには単なる「懐かしの名作復活」では終わらない話がありました。『エストポリス伝記』の音楽を生んだ作曲家・塩生康範さんは、ゲーム業界を離れた後も音楽との縁が切れず、蕎麦店を営みながら作曲活動へ復帰。30年前のファンサイトが現在のインディーゲーム制作につながり、そして『エストポリス伝記II』の曲は羽生結弦さんのアイスショーでも使われています。

今回は、新作情報そのものより少し先まで掘ってみます。

『エストポリス伝記 I&II』は2027年発売

タイトー公式によれば、『エストポリス伝記 I&II』は2027年発売予定。シリーズ企画者の宮田正英さんも協力し、現行プラットフォーム向けの調整が進められています。

現時点で価格は未定。具体的にどこまで追加機能や遊びやすさの改善が入るのかも、今後発表される予定です。

公式側自身が、このシリーズの魅力として「印象に残るサウンドトラック」と「涙を誘う物語」を挙げています。特にIIは、モンスター育成、ローグライク型の「いにしえの洞窟」、ランダムエンカウントを避けたダンジョン構成など、当時としてかなり意欲的な作りだったことも改めて紹介されています。

→ タイトー『エストポリス伝記 I&II』公式サイト

物語の構造を見て『ファイブスター物語』をちょっと思い出した

『エストポリス伝記』は、最初に大きな戦いとその結末を提示し、その後『II』で時代をさかのぼり、そこへ至る物語を描くという少し変わった構成です。

もちろん同じ作品構造という話ではありませんが、「未来や結末の一端を先に見せ、そこへ至る歴史を後から追わせる」という発想を見て、自分は『ファイブスター物語』を少し思い出しました。

そして、その『ファイブスター物語』も驚くことに今なお現役です。2026年で連載40周年。コミックス第19巻が5月に発売され、40周年記念本『F.S.S. EPISODES of 40th MEMORIAL』も展開されています。

何十年も前に始まった作品が、今も新しい読者と古参ファンを同時に抱えて続いている。『エストポリス』の復活も、そういう長寿コンテンツの面白さを改めて感じさせます。

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『エストポリス伝記』の音楽を作った塩生康範さん

『エストポリス伝記』『エストポリス伝記II』の音楽を担当したのは、作曲家の塩生康範さんです。

塩生さんは日本テレネットのウルフ・チーム、ネバーランドカンパニーなどでゲーム音楽を手掛け、『エストポリス伝記』シリーズのほか、『カオスシード~風水回廊記~』『エナジーブレイカー』『フロンティア ストーリーズ』などにも参加しています。

2016年のインタビューでは、『エストポリス伝記II』制作時について、細かな指示で曲を作ったというより、宮田さんから「町っぽく」「城っぽく」といったかなり大まかなイメージを受け取り、そこから音楽を組み立てていったという興味深い話をしています。

ファン人気の高い「地上を救う者」についても、エンディングの状況を聞いた上で書いた曲だったと振り返っています。ゲームの場面と曲が強く結びついて記憶されている理由が、少し見える話です。

30年後、羽生結弦さんが『エストポリス伝記II』を滑る

この作品の音楽がどれほど長く生き残っているかを象徴する出来事が、羽生結弦さんのアイスストーリー『→RE_PRAY←』です。

使用されたのは『エストポリス伝記II』の「予言者」「地上を救う者」「バトル#1」「バトル#2」。MUSICエンジンによる編曲・演奏でメドレー化され、羽生さん自身が振付・演技を行っています。

動画:羽生結弦 公式YouTube「地上を救う者~エストポリス伝記IIメドレー~」

1995年のスーパーファミコン用RPGの楽曲が、約30年後にトップスケーターの公演で使われる。これはかなりすごい話です。

ゲームそのものを知らない人にも、音楽だけが別の場所へ渡っていく。自分が昔ニコニコ動画で「音楽が良いゲーム」としてこの作品を知ったのも、ある意味では同じような伝わり方だったのかもしれません。

ゲーム業界を離れ、蕎麦を打ち、そして作曲へ戻った

塩生さんはその後、いったんゲーム音楽の第一線を離れ、家業の蕎麦店に入ります。現在も栃木県日光市の「そば処 しろやま」を営みながら、作曲活動を続けています。

これがまた面白い話で、2016年のインタビューでは、蕎麦を打つ工程が曲作りの感覚と似ていると感じたことが、再び音楽を作りたいと思うきっかけの一つになったと語っています。

そしてYouTubeに自作曲を公開し始めた時期とほぼ同時に、思いがけない依頼が届きます。

依頼したのは、香港ノワール系ノベルゲーム『紅蜘蛛/Red Spider』を制作するstudio waspのKellyさんでした。

29年前のファンサイトが、作曲家をもう一度ゲームへ呼び戻す

この話は、studio waspのKellyさん自身が2026年に詳しく書いています。

Kellyさんは『エストポリス伝記II』の熱狂的なファンで、1996年に作品を広めるためのファンサイトを開設。その後、シリーズ関係者との交流が生まれ、2014年に塩生さんが作曲活動を再開すると知った際、個人制作ゲーム『紅蜘蛛』への楽曲提供を依頼します。

無名の個人サークルからの依頼にもかかわらず、塩生さんは快諾。これが塩生さんのゲーム音楽作曲家としての本格的な復帰につながりました。

30年前にゲームを好きになった一人のファンがサイトを作る。そのサイトから人との縁が生まれる。その縁が十数年後に新しいゲームを作り、かつて憧れた作曲家がそこへ曲を書く。

こういう話は、作品が「売れた本数」だけでは測れないものを残していることをよく表していると思います。

→ studio wasp Kellyさん「29年前に作ったファンサイトが起こした奇跡」

『エストポリス』とは違う「現在の塩生康範」を聴いてみる

『紅蜘蛛』の音楽は、『エストポリス伝記』のコピーではありません。香港ノワールというまったく違う世界のために書かれた曲です。

それでも、メロディを前に出す作りや、少し哀愁のある旋律を聴いていると、「この人の曲なんだな」と感じる部分があります。

動画:studio wasp『紅蜘蛛/Red Spider』メインテーマ「Vengeance」/作曲:塩生康範

『紅蜘蛛』シリーズのオリジナルサウンドトラックには、塩生さんによる「Red Spider Lily」「Red Spider」「Vengeance」「Retribution」などが収録されています。Apple Music、YouTube Music、Spotify、Amazon Musicなどでも配信されています。

動画:studio wasp『紅蜘蛛/Red Spider』BGM紹介

→ 『紅蜘蛛/Red Spider』オリジナルサウンドトラック公式ページ

今も作曲依頼を受けている

塩生さんは現在も、TABプロダクションのサウンドクリエートチーム所属として作曲活動を継続しています。本人のクリエイタープロフィールには『エストポリス伝記』シリーズから『紅蜘蛛』までの担当作品が掲載され、現在も楽曲制作の相談を受け付けています。

Xも本人名義の「@TauBell」で更新されています。

→ 塩生康範さん本人X(@TauBell)
→ 塩生康範さん クリエイタープロフィール

また、現在は蕎麦店を中心に生活されており、本人Xでは体調についての報告や店舗の臨時休業について告知されることもあります。ファンとして店舗を訪ねたい場合も、突然押しかけるのではなく、まず店舗や本人のSNSで最新の営業状況を確認してからにしたいところです。

→ そば処 しろやま 公式サイト

「マイナーな名作」が30年後に戻ってくる意味

『エストポリス伝記』は、誰でも知っている国民的RPGというタイプの作品ではありません。

それでも、遊んだ人の中には非常に強い思い入れを持つファンがいる。音楽だけを追い続けた人がいる。ファンサイトを29年間残した人がいる。演奏会を開いた人がいる。そして世界的なスケーターがその曲を使った。

そう考えると、今回の『エストポリス伝記 I&II』復活は、「昔のゲームをもう一度売る」というだけではない気がします。

これまで作品を知っていた人がもう一度触れられる。そして、自分のように「曲だけは知っている」という人や、名前すら知らなかった世代が、初めて普通に買える場所へ戻ってくる。

2027年版がどこまで手を加えるのかは、まだ分かりません。だからこそ続報が楽しみです。

そして、この復活をきっかけに塩生康範さんの曲を初めて聴く人が増えるなら、それもまた30年以上続いた『エストポリス伝記』という作品の“続き”なのかもしれません。


主な参照先:
タイトー『エストポリス伝記 I&II』公式サイト
インサイド「『エストポリス伝記II』作曲者・塩生康範が語る、音楽制作秘話と活動再開に至った想い」
塩生康範さん本人X(@TauBell)/クリエイタープロフィール
studio wasp「29年前に作ったファンサイトが起こした奇跡」/『紅蜘蛛/Red Spider』公式サイト
日光手打ちそばの会「そば処 しろやま」
『ファイブスター物語』公式サイト

2026年9月15日火曜日

「兎田ぺこらが『ぺこ』と言わなくなった? 7年続けた語尾の現在を調べてみた」

 

兎田ぺこらが「ぺこ」と言わなくなった? 7年続けた語尾の現在を調べてみた

最近、「ぺこーら、あんまり“ぺこ”って言わなくなったらしい」という話を見かけました。

兎田ぺこらといえば、「こんぺこ!」に始まり、会話の随所に「~ぺこ」を差し込む独特のしゃべり方で知られるVTuberです。あまりにも定着しすぎて、名前とセットで思い浮かべる人も多いはず。

では、本当に最近は「ぺこ」を言わなくなったのでしょうか。

調べてみると、結論としては「完全にやめたわけではない。ただし、普段の会話での使用頻度は以前よりかなり減っている」というのが一番近そうです。

公式プロフィールでは今も「◯◯ぺこ」が現役

まず確認しておきたいのは、ホロライブ公式プロフィールです。

2026年9月現在も、兎田ぺこらの紹介ページでは冒頭の挨拶が「こんぺこ!こんぺこ!こんぺこー!兎田ぺこらぺこ~!」となっており、「Words」の項目にも「◯◯ぺこ - ぺこらの語尾」と明記されています。

さらにQ&Aでも「休日はお昼からよく配信しているぺこ!」「にんじん3個分ぺこ。」と普通に使われています。

つまり、キャラクター設定として「ぺこ」が消えたわけではありません。

→ ホロライブ公式「兎田ぺこら」プロフィール

でも配信では、確かに「ぺこ」が減っている

一方で、実際の配信を長く見ているファンからは、以前より語尾の「ぺこ」が減ったという指摘が出ています。

2025年11月には、「語尾ぺこが減少した理由を明かすぺこちゃん」という切り抜き動画も公開され、20万回以上再生されています。つまり、視聴者側が気づく程度には変化があったということです。

動画:とよよ【ホロライブ見どころCh】「語尾ぺこが減少した理由を明かすぺこちゃん」

しかも、この変化は2025年に突然始まったものでもありません。

2021年にもすでに、「最近、語尾に“ぺこ”を付け忘れていることに気づいた」と本人が話題にした切り抜きが残っています。活動が長くなるにつれて、もともと意識して付けていた語尾が自然な会話の中では抜けるようになっていった、と見る方がよさそうです。

「ぺこ」は消えたのではなく、必要な場所に残っている

面白いのは、普段の会話で減っていても、「ぺこ」という言葉自体は今もブランドの一部としてしっかり残っていることです。

2026年3月の公式配信タイトルにも「告知させていただくよおおおおおおおおおお!!ぺこ!」と入っていますし、公式プロフィール、グッズ、楽曲名などにも「ぺこ」は健在です。

動画:Pekora Ch. 兎田ぺこら 公式チャンネル

だから「ぺこらが“ぺこ”を卒業した」と考えると少し違います。

むしろ、初期には日常会話のほぼすべてに付けていたキャラクター記号が、7年という活動の中で「毎回付けなくても、兎田ぺこらだと分かるもの」になった、と考えると面白いです。

VTuberの「語尾」って、実はかなり大変なのでは?

VTuberには昔から、「~ぺこ」「~なのら」「~ござる」のような特徴的な語尾を持つキャラクターがいます。

初見でも一発で覚えてもらえるので、キャラクターを立たせるには非常に強い仕組みです。ただ、それを何年も配信で維持するとなると話は別です。

Real SoundのVTuber座談会でも、兎田ぺこらや風真いろはのような「語尾」を持つVTuberについて、周囲から「それは大変だよ」と言われたというエピソードが話題になっています。

考えてみれば、ゲームに集中している時も、長時間雑談している時も、誰かとコラボしている時も、毎回決まった語尾を意識して付ける。配信が仕事になり、それを何千時間も続ければ、自然体のしゃべり方が混ざってくる方がむしろ普通なのかもしれません。

それでも「ぺこ」はなくならない

興味深いのは、本人が使う回数が減っても、ファン側では「ぺこ」が完全に兎田ぺこらの記号になっていることです。

海外のホロライブコミュニティでも、英語の文章の最後にわざわざ「peko」を付けて遊ぶ文化が今も普通に残っています。本人の口から出る頻度が減っても、「ぺこらといえば“ぺこ”」という認識は世界規模で定着しているわけです。

これは、キャラクターとしてはかなり強いことだと思います。

毎回「ぺこ」と言わなくても、視聴者の頭の中では勝手に「ぺこ」が補完される。

そこまで行けば、もう語尾を守るために無理をする必要もないのかもしれません。

「ぺこ」が減ったのは、キャラが薄れたからではない

活動開始は2019年7月。2026年で7周年を迎えた兎田ぺこらは、YouTube登録者数も約279万人まで成長しています。

デビュー直後なら、特徴的な語尾は「この子はこういうキャラクターです」と伝える大切な武器です。

でも7年も活動していれば、独特の笑い方、ゲーム中のリアクション、企画力、しゃべり方、人間関係まで含めて「兎田ぺこら」というキャラクターそのものが視聴者に定着しています。

そう考えると、「ぺこ」の使用頻度が減ったのはキャラクターが消えたからではなく、むしろ語尾一つに頼らなくても成立するほどキャラクターが完成した結果とも見えます。

公式プロフィールでは今も堂々と「ぺこ」。本人もタイトルや決め所では使っている。

でも普段の会話では以前ほど意識しない。

7年続いたVTuberだからこそ起きた、ちょっと面白い変化なのかもしれません。


主な参照先:
ホロライブ公式「兎田ぺこら」プロフィール
Pekora Ch. 兎田ぺこら 公式YouTubeチャンネル
とよよ【ホロライブ見どころCh】「語尾ぺこが減少した理由を明かすぺこちゃん」
Real Sound「既存の枠組みを超えたVTuber所属」

プレミア価格にもなった『ダンガンロンパ1・2 Reload 超高校級の公式設定資料集 -再装填-』が欲しい

 


※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。

Amazonの期限付きポイントがもうすぐ切れるので、何か面白そうなものはないかと探していたら、かなり気になる本を見つけました。

それが『ダンガンロンパ1・2 Reload 超高校級の公式設定資料集 -再装填-』です。

自分は『ダンガンロンパ』シリーズのゲーム自体は持っています。ただ、まだ未プレイ。なので今回は買いませんでした。というより、このシリーズはネタバレを避けた方が絶対に面白いタイプの作品なので、今この本を開くのはさすがにもったいない。

ただし、1と2をプレイし終わったら、これはぜひとも手元に置きたい。調べれば調べるほど、普通の攻略本というより「ダンガンロンパ1・2の資料をこれでもかと詰め込んだ保存版」に見えてきました。

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A4判・512ページ。「設定資料集」の名前に偽りなし

KADOKAWA公式によると、本書は2013年12月27日発売。A4判で全512ページ、定価は3,850円です。

収録されているのは、キャラクター設定画や初期稿、美麗なイメージボード、スペシャルインタビューなど。電子版の公式紹介でも「500ページ超の大ボリューム」とうたわれています。

512ページという時点でかなり異常です。いわゆる薄めのファンブックではなく、文字どおり「資料集」と呼ぶにふさわしい厚さです。

KADOKAWA公式のユーザーレビューにも、500ページを超えるだけあって本そのものが重い、初期案を見るのが面白い、といった声があります。完成したキャラクターだけではなく、「最初はこういう案だったのか」という制作途中の姿まで見られるのは、設定資料集好きにはかなり魅力的です。

かつては紙版が入手しづらく、プレミア価格が付くこともあった

この本を調べていて興味深かったのが、紙版の入手事情です。

復刊ドットコムには2023年当時、「後からシリーズにハマったが手に入りにくい」「プレミア価格でしか見つからない」といった復刊希望の声が複数残っています。

つまり、紙版は一時期入手しづらくなり、中古市場ではプレミア価格が付くこともあったようです。

設定資料集はゲーム本編と違って、いつでも新品で買えるとは限りません。作品に後からハマった頃には絶版、というのはこの手の本ではよくある話です。

ところが現在は、KADOKAWA公式オンラインショップで紙版が再び在庫ありになっています。電子版も2023年に配信開始されました。

一度欲しくても買いづらかった本が、今は普通に選択肢に入る。この点だけでも、シリーズをこれから遊ぶ自分にはありがたいです。

→ Amazonで紙版の価格と在庫を確認する

レビューを見ると、単なるキャラクター画集ではなさそう

購入者の評判をいくつか見ていくと、評価されているのはイラスト量だけではありません。

キャラクターの設定画や初期稿、背景やイメージボード、インタビューなど、ゲームをクリアした後に「もっとこの世界の裏側を知りたい」と思った人向けの内容が大量に入っているようです。

Reader Storeでは平均4.5点、現在のAmazonの商品情報でも高い評価が付いています。もちろんレビューの感じ方には個人差がありますが、発売から10年以上たった本が今なお高く評価されているのは、それだけ内容に魅力があるという一つの目安にはなります。

特に自分が惹かれるのは初期稿です。

ゲームでもアニメでも、完成版しか知らない作品の初期デザインを見ると、「このキャラクターがここからこうなったのか」と制作過程そのものが見えて面白い。設定資料集を買う理由って、完成品では見えないところを覗けることだと思っています。

ただし未プレイなら、先にゲームをやった方がよさそう

ここは自分自身にも言い聞かせています。

自分はゲームを持っているのにまだプレイしていません。しかも『ダンガンロンパ』は、作品の性質上「誰がどうなるのか」を知らずに遊ぶ価値がかなり高いシリーズです。

512ページもある公式設定資料集なら、当然ゲーム本編の情報も大量に含まれているはず。先に資料集を眺めてしまって、ゲーム本編の驚きを減らすのは避けたい。

だから今回は欲しい気持ちを抑えました。

でも、これは「いらないから買わなかった」ではありません。

1と2をきちんとプレイしてから、ぜひとも買いたい。

むしろ、ゲームをクリアした後の楽しみが一つ増えたと思っています。

紙で持ちたいタイプの本

電子版もありますし、512ページを場所を取らずに読めるのは電子の大きな利点です。

ただ、個人的にはこういう設定資料集は紙で持ちたい。

A4判の大きなページで設定画やイラストを眺め、分厚い本を机に置いて少しずつ読む。実用性では電子版に負けても、「作品の資料を所有している」という満足感は紙の本ならではです。

しかも、かつてプレミア価格になるほど入手しづらかった時期があったと知ると、普通に新品で買えるうちに確保しておきたくなります。

ダンガンロンパ1・2をクリアしたら買う

期限付きポイントを使う商品を探していただけなのに、結果として「ゲームを遊び終わったら欲しい本」を一冊見つけてしまいました。

『ダンガンロンパ1・2 Reload 超高校級の公式設定資料集 -再装填-』。A4判512ページ。キャラクター設定画、初期稿、イメージボード、インタビューなどを収録した大ボリュームの公式資料集です。

紙版はかつて入手しづらく、プレミア価格が付くこともあった。それが現在は新品で購入でき、電子版という選択肢もある。

自分はまずゲームをプレイします。

そして1と2をクリアしたら、これはぜひとも買いたい一冊です。

→ Amazonで『ダンガンロンパ1・2 Reload 超高校級の公式設定資料集 -再装填-』を確認する


主な参照先:
KADOKAWA『ダンガンロンパ1・2 Reload 超高校級の公式設定資料集 -再装填-』商品ページ
KADOKAWA公式オンラインショップ
ファミ通と電撃の攻略本 公式書籍情報
復刊ドットコム 復刊投票コメント
Reader Store 商品・レビュー情報

『ロマンシング サガ3 デスティニーユナイテッド』発表!「リベサガ」の支持が本当に次へつながった


2026年9月9日の「Nintendo Direct 2026.9.9」で、『ロマンシング サ・ガ3』のフルリメイク作品『ロマンシング サガ3 デスティニーユナイテッド』が正式発表されました。発売日は2027年2月16日。Steam版のみ2月17日発売予定です。

対応機種はNintendo Switch 2、Nintendo Switch、PlayStation 5、Xbox Series X|S、Xbox on PC、Steam。1995年に発売されたスーパーファミコンの名作が、フル3D、フルボイス、再構築された戦闘システムで帰ってきます。

ロマンシング サガ3 デスティニーユナイテッド 発表映像
画像・映像出典:Nintendo 公式チャンネル「ロマンシング サガ3 デスティニーユナイテッド [Nintendo Direct 2026.9.9]」

今度は『ロマサガ3』がフル3Dで甦る

原作『ロマンシング サ・ガ3』は1995年発売。8人の主人公から一人を選び、プレイヤー自身の選択で物語を進めるフリーシナリオRPGとして、日本でミリオンセラーを記録した作品です。

今回の『デスティニーユナイテッド』ではグラフィックをフル3D化。戦闘やゲームシステムも再構築され、難易度選択も導入。イベントシーンはフルボイスになり、8人の主人公たちによる群像劇も、より分かりやすく描き直されると発表されています。

もちろん「閃き」は健在。仲間との「連携技」も登場します。原作にあったマスコンバットやトレードもリメイクされるため、単に映像だけを3D化した作品ではなく、かなり大掛かりな再構築になりそうです。

『リベサガ』の支持が『3』につながった

今回いちばん嬉しかったのは、プロデューサーの田付信一氏が、『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』への支持が今回の『3』につながったと、はっきりコメントしていることです。

発売決定後の公式生放送でも、田付氏は『リベサガ』について、発売前の予約状況は決して突出したものではなかったものの、発売後に非常に大きなセールスを記録し、その結果『ロマサガ3』の開発を続けることができたと説明しています。

つまり、あの『リベサガ』を買って遊んだユーザーの支持が、本当に次のフルリメイクへつながったわけです。

シリーズものでは「売れれば次が出る」とよく言われますが、今回はかなり分かりやすい形でそれが実現しました。

『リベサガ』で好評だった部分を継承

田付氏は『デスティニーユナイテッド』について、『リベサガ』で好評だった点を受け継ぎつつ、8人の主人公それぞれの魅力を大切にし、物語をより分かりやすく楽しめるよう再構築したと説明しています。

『ロマサガ』というシリーズは、自由度の高さが魅力である一方、初めて遊ぶ人には「次に何をすればいいのか分からない」と感じやすいシリーズでもありました。『リベサガ』はその独特な自由さを残しながら、現代のRPGとしてかなり遊びやすく整理されていました。

その方向性を『3』でも継承するのであれば、原作ファンだけでなく「サガは難しそう」と敬遠していた人にも入りやすい作品になりそうです。

伊藤賢治氏によれば楽曲数は前作の約2倍

音楽はもちろん伊藤賢治氏。今回のスタッフコメントによれば、『リベサガ』制作終了後に「3も動く」と連絡を受け、新たな音楽制作チームを編成したとのこと。

しかも楽曲数は前作『リベサガ』のおよそ2倍。新たに参加するアレンジャーや奏者も多く、かなり大規模なサウンド制作になっているようです。

『ロマサガ3』には「四魔貴族バトル」などシリーズ屈指の人気曲があります。あの曲たちが現在の音源でどう生まれ変わるのかは、個人的にもかなり楽しみです。

マスコンバットとトレードも復活

『ロマサガ3』といえば、本編とは別に妙にハマるミニゲームも忘れられません。

ミカエルなどで楽しめる軍団戦「マスコンバット」、そして各地の企業を買収していく「トレード」は今回も登場。公式サイトでは、どちらも原作から進化した形で収録されることが紹介されています。

RPG本編だけでなく、こういう寄り道が異様に充実していたのも『ロマサガ3』らしさでした。ここを削らず残してくれたのは嬉しいところです。

『リベサガ』のセーブデータ連動特典も

『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』のセーブデータを持っている場合は、連動特典として装飾品「レオンの王冠」を入手できます。

さらに予約・初回特典として「タチアナの貯金箱」「ロビンのヒーロー指南書」も用意されています。序盤のオーラムや技術点獲得を補助する装備で、シリーズ初心者にも便利そうです。

これはかなり期待していいと思う

自分も『ロマサガ2 リベンジオブザセブン』を遊んでいますが、原作の面白さを残しながら現代向けに遊びやすくするという点では、本当によくできたリメイクだと感じています。

→ロマサガ2 リベンジオブザセブンをAmazonで確認する

その作品を作った田付プロデューサーが続投し、「リベサガで好評だった点を受け継ぐ」と明言している。そしてユーザーの支持が実際に『3』の開発へつながった。

この流れなら、期待しない方が難しいです。

『ロマサガ3』は主人公が8人いるうえ、マスコンバットやトレード、四魔貴族、宿命の子など、原作の時点で『2』とはかなり違う個性を持っています。『リベサガ』と同じものを作るのではなく、そのノウハウを使って「3らしさ」をどう現代化するのか。そこが一番楽しみです。

発売日は2027年2月16日

『ロマンシング サガ3 デスティニーユナイテッド』は2027年2月16日発売予定。Steam版は2月17日午前2時発売予定です。

さらに9月17日から開催される東京ゲームショウ2026では、スクウェア・エニックスブースに初の試遊台も出展予定。発売まではまだ数か月ありますが、ここから新情報もかなり出てきそうです。

→ 『ロマンシング サガ3 デスティニーユナイテッド』公式サイト
→ 発売決定記念 公式生放送
→ Nintendo Direct公式映像


主な参照先:
スクウェア・エニックス『ロマンシング サガ3 デスティニーユナイテッド』公式サイト
スクウェア・エニックス「『ロマンシング サガ3 デスティニーユナイテッド』2027年2月16日発売決定・予約開始!」
スクウェア・エニックス「発売決定記念!公式生放送」
Nintendo 公式チャンネル「Nintendo Direct 2026.9.9」

2026年9月9日水曜日

『MONOPHOBIA』現時点ではSteam専売。コンシューマ版は未発表――みかみてれん×緜×新鋭Dendrobium、少女バディ×都市伝説ADVの制作陣を掘る

 

『MONOPHOBIA』が気になる――みかみてれん×緜×新鋭Dendrobium、少女バディ×都市伝説ADVの制作陣を掘る

絵柄を見た第一印象は、かなりかわいい。けれど中身は、都市伝説、心理ホラー、推理、そして少女ふたりの関係性を軸にした2.5Dアドベンチャー。2026年9月8日、松竹ゲームズが『MONOPHOBIA(モノフォビア)』を東京ゲームショウ2026へ出展すると発表しました。

本作は、ミステリアスな少女「切原古乃華」と、明るいギャルのクラスメイト「中野篠」がバディを組み、街で起きる怪異を調査していく作品です。集めた手がかりをジャーナルで整理し、「論理」とそれぞれの特殊能力を使って真相へ迫る構成。32ビット時代のアドベンチャーゲームを思わせるドット絵と、現代的なライティングを組み合わせた2.5D表現も大きな特徴です。

Steam『MONOPHOBIA』公式ストアページ

少女ふたりで怪異を追う「都市伝説サスペンス」

『MONOPHOBIA』の軸は、単なるホラーではありません。街に潜む怪異を調査し、その裏側にある真相を推理していく捜査型アドベンチャーです。

主人公側には「過去を持たない少女」と「霊感を持つ少女」という対照的な設定が置かれています。怪異事件を解決していくうちに、ふたりの関係そのものも深まっていく。公式も、事件の真相だけでなく「不可逆な絆のドラマ」を前面に出しています。

見た目のかわいさと、都市伝説や心理的恐怖の組み合わせ。この時点ですでにかなり引きがあります。

シナリオは『わたなれ』のみかみてれん氏

シナリオを担当するのは、ライトノベル作家のみかみてれん氏です。代表作は『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』、通称『わたなれ』。2020年からダッシュエックス文庫で刊行され、シリーズ累計55万部を突破し、TVアニメ化もされた人気ガールズラブコメです。

みかみてれん氏は『Link!Like!ラブライブ!』のメインシナリオにも参加しており、少女同士の関係性や感情の揺れを描く仕事を積み重ねてきた作家です。

今回のコメントでも、自身について「女の子の巨大感情を書いて生きています」と表現しています。『MONOPHOBIA』が単なる怪異事件集ではなく、ふたりの少女の感情や関係性をかなり重要視する作品になりそうだと考える材料にはなります。

都市伝説ものに、少女同士の巨大感情。ここはかなり相性が良さそうです。

キャラクターデザインは緜氏――壱百満天原サロメのデザインでも知られる

キャラクターデザインとメインビジュアルを担当するのは、イラストレーターの緜(わた)氏です。

名前を知らなくても、「にじさんじの壱百満天原サロメのキャラクターデザイン」と聞けばピンとくる人は多いはず。さらに、電撃文庫『魔女に首輪は付けられない』の挿絵も担当しています。同作は第30回電撃小説大賞の大賞受賞作で、現在はコミカライズも展開されています。

緜氏は、女の子の表情、髪、リボンや布の描写を得意分野として挙げているイラストレーターです。『MONOPHOBIA』のメインビジュアルを見ても、ふたりの少女のかわいさを前面に出しながら、その背後に少し不穏な空気を置いているのが印象的です。

筆者も最初に見て、「この絵柄はかわいいな」と思いました。ホラーや都市伝説ものはビジュアルが暗くなりがちですが、この作品はキャラクターにまず目が行く。その入口の作り方は強いです。

Dendrobiumは2022年設立の新しい開発チーム

開発を担当するDendrobiumは、2022年に設立された新興のゲーム開発チームです。複数の国から集まったクリエイターで構成され、ゲーム業界で経験を積んだメンバーも参加していると紹介されています。

そして『MONOPHOBIA』は、Dendrobiumにとって初めての独立開発作品です。

つまり、「過去にこのタイトルを作った会社だから安心」というタイプの判断材料はまだ少ない。一方で、シナリオにみかみてれん氏、キャラクターデザインに緜氏、さらにパブリッシングに松竹ゲームズが入っている。新しいチームの第1作としては、かなり分かりやすい強みを揃えてきた印象です。

松竹ゲームズがパブリッシング

今回、松竹ゲームズが本作のパブリッシャーとして参加することも発表されました。

松竹ゲームズは近年、『MiSide : ミサイド』の国内展開や、『ヨグ=ソトースの庭』『BrokenLore: DON'T WATCH』など、個性的なインディーゲームを扱っています。特に『MiSide』は、美少女的な見た目と本格ホラーを組み合わせ、Steamで世界的に大きな人気を得た作品です。

『MONOPHOBIA』も、かわいい少女キャラクターと心理ホラー、ストーリー性を組み合わせる作品です。もちろんゲーム内容は別物ですが、松竹ゲームズがこういう「見た目だけでは終わらないインディー作品」を扱ってきた実績は、購入前に見る材料の一つになると思います。

TGS2026ではストーリーデモを初公開

2026年9月17日から21日まで開催される東京ゲームショウ2026では、松竹ゲームズのブースで『MONOPHOBIA』のストーリーデモが初公開されます。オープニング部分を実際にプレイでき、日本語キャラクターボイスも実装予定です。

今の段階では発売日は「近日登場」、価格は未定。対応プラットフォームはSteamで、日本語、英語、中国語、韓国語への対応が予定されています。

買うかどうかを見るなら、制作陣はかなり分かりやすい

まだ発売前なので、ゲームそのものの出来を断言できる段階ではありません。それでも制作陣を見ると、この作品がどこを狙っているのかはかなり見えます。

少女同士の感情を描いてきたみかみてれん氏。かわいい女の子のビジュアルで実績のある緜氏。初の独立開発作品に挑むDendrobium。そしてインディーゲームのパブリッシングを広げている松竹ゲームズ。

「かわいいキャラクターが好き」「都市伝説や怪異ものが好き」「少女ふたりの関係性をじっくり見たい」「ドット絵のADVが好き」。このあたりに複数当てはまる人なら、かなり相性が良さそうです。

自分も絵柄を見た段階では、ちょっと気になる側に入りました。あとはTGS2026のストーリーデモで、推理部分とふたりの会話がどこまで面白く仕上がっているか。そこを見てみたい作品です。

→ 松竹ゲームズ『MONOPHOBIA』公式ページ
→ Steam『MONOPHOBIA』ストアページ


主な参照先:
松竹ゲームズ『MONOPHOBIA』公式ページ
松竹株式会社「MONOPHOBIA 東京ゲームショウ2026出展」発表
集英社 ダッシュエックス文庫『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』
INCOLORE 緜プロフィール
KADOKAWA『魔女に首輪は付けられない』

『ぼくと釣り日記』が気になる――『ほの暮しの庭』好きにも刺さりそうな“釣り×スローライフ”新作

 

『ぼくと釣り日記』が気になる――『ほの暮しの庭』好きにも刺さりそうな“釣り×スローライフ”新作

最近、個人的に『ほの暮しの庭』の実況をよく見ています。畑を耕したり、動物を育てたり、釣りをしたり、村人と交流したり。いわゆる「牧場物語系」の生活シミュレーションが持つ、何でもない日常を少しずつ積み上げていく楽しさが強い作品です。

そんな中で気になったのが、2026年10月8日発売予定のNintendo Switch 2/Nintendo Switch用ソフト『ぼくと釣り日記』。こちらは生活シミュレーションそのものではなく「釣りアクションRPG」ですが、自然の中でゆっくり時間を過ごす空気感、魚を探して釣り上げ、図鑑や装備を充実させていく遊びを見ると、『ほの暮しの庭』を楽しんでいる人にもかなり気になる一本ではないでしょうか。

ぼくと釣り日記 キービジュアル
画像出典:『ぼくと釣り日記』公式サイト © Imagineer Co., Ltd. / TOYBOX Inc.

『ぼくと釣り日記』はどんなゲーム?

公式サイトによると、『ぼくと釣り日記』は「自然あふれるなごやかな世界観」の中で、実際の釣りに近い臨場感を楽しむ淡水釣りゲームです。図鑑をもとに魚の生息地を探し、狙う魚に合わせて装備を整え、ポイントへ向かって竿を振る。魚がヒットすれば、そこからは竿さばきによる駆け引きが始まります。

見た目はかなり穏やかですが、単にボタンを押して魚を集めるだけではなく、「どこにいるのか」「何を持っていくのか」「どうやって釣り上げるのか」という探索と戦略を前面に出しているのが特徴です。釣具のバリエーションやコレクション要素も用意されており、釣りそのものをじっくり遊ばせる設計になっています。

さらに舞台は、どこか懐かしい「和」を感じさせるあやかしの世界。釣りを通して、呪われてしまった世界に色を取り戻していく青年の成長物語も描かれるとのことです。

動画:イマジニア公式チャンネル「『ぼくと釣り日記』PV 第一弾」

『ほの暮しの庭』を見ていると、このゲームが気になる理由

『ほの暮しの庭』は、日本一ソフトウェアの「夜廻」シリーズのスタッフが手掛けた生活シミュレーションゲームです。舞台は山奥の彼ヶ津村。畑を耕し、動物を育て、魚を釣り、狩りをし、村人と交流しながら田舎暮らしを楽しめます。

ジャンルとしては『ぼくと釣り日記』とは違います。それでも両方を見ていると、共通する魅力があります。目的地へ一直線に走り、次々に敵を倒していくタイプではなく、自然の中を歩き回り、今日やることを自分で決め、小さな成果を積み上げていくゲームです。

特に釣りは、こういうゲームとの相性がとてもいい。魚がいる場所を探す、道具を選ぶ、竿を垂らして待つ、釣れた魚を記録する。この一連の流れそのものに「暮らしている感じ」があります。

ほの暮しの庭 釣りイラスト
画像出典:『ほの暮しの庭』公式サイト ©2026 Nippon Ichi Software, Inc.

動画:日本一チャンネル「『ほの暮しの庭』メインプロモーションムービー」

『ほの暮しの庭』はすでに20万本突破

この手のゲームに今どれくらい需要があるのか、という意味でも『ほの暮しの庭』の動きは興味深いです。2026年7月30日に発売され、公式発表では8月3日に国内10万本、8月10日に15万本、9月2日には国内累計20万本を突破しています。

Steam版も執筆時点でユーザーレビューの9割以上が好評。畑仕事や釣り、村人との交流をじっくり遊ぶタイプのゲームに、今もしっかり需要があることが分かります。

『ぼくと釣り日記』は釣りにもっと深く焦点を合わせた作品なので、同じ層をそのまま狙っているわけではありません。それでも、刺激の強いゲームとは別に「自然の中で落ち着いて遊びたい」「コレクションを少しずつ埋めたい」「ゲームの世界で生活している感覚が欲しい」という人には、かなり相性が良さそうです。

見た目はのんびり、中身はかなり本格派?

個人的に面白そうだと思ったのは、『ぼくと釣り日記』が単なる“癒やし系釣りゲーム”に寄せ切っていないところです。公式は「知略で挑む本格的な釣りゲーム体験」を掲げています。

魚の生息地を調べ、装備を選び、現地まで探索し、魚との駆け引きに勝つ。この流れなら、スローライフ系の「今日は何をしよう」という自由さと、RPG的な「次はあの魚を狙いたい」という目的意識がうまく噛み合いそうです。

『ほの暮しの庭』の実況を見ていて、畑仕事や採集、釣りを繰り返しているだけなのに妙に見続けてしまう自分には、この『ぼくと釣り日記』もかなり気になります。

発売日は2026年10月8日

『ぼくと釣り日記』は2026年10月8日発売予定。対応機種はNintendo Switch 2とNintendo Switch、価格は6,578円(税込)、1人用の釣りアクションRPGです。

『ほの暮しの庭』のような生活シミュレーションが好きな人、昔の『ぬし釣り』系ゲームが好きだった人、釣りゲームをじっくり遊びたい人は、チェックしておいてもよさそうです。

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→ 『ぼくと釣り日記』公式サイト
→ 『ほの暮しの庭』公式サイト


参照:『ぼくと釣り日記』公式サイト、イマジニア公式チャンネル、『ほの暮しの庭』公式サイト、日本一チャンネル、Steam『ほの暮しの庭』ストアページ