『MONOPHOBIA』が気になる――みかみてれん×緜×新鋭Dendrobium、少女バディ×都市伝説ADVの制作陣を掘る
絵柄を見た第一印象は、かなりかわいい。けれど中身は、都市伝説、心理ホラー、推理、そして少女ふたりの関係性を軸にした2.5Dアドベンチャー。2026年9月8日、松竹ゲームズが『MONOPHOBIA(モノフォビア)』を東京ゲームショウ2026へ出展すると発表しました。
本作は、ミステリアスな少女「切原古乃華」と、明るいギャルのクラスメイト「中野篠」がバディを組み、街で起きる怪異を調査していく作品です。集めた手がかりをジャーナルで整理し、「論理」とそれぞれの特殊能力を使って真相へ迫る構成。32ビット時代のアドベンチャーゲームを思わせるドット絵と、現代的なライティングを組み合わせた2.5D表現も大きな特徴です。
Steam『MONOPHOBIA』公式ストアページ
少女ふたりで怪異を追う「都市伝説サスペンス」
『MONOPHOBIA』の軸は、単なるホラーではありません。街に潜む怪異を調査し、その裏側にある真相を推理していく捜査型アドベンチャーです。
主人公側には「過去を持たない少女」と「霊感を持つ少女」という対照的な設定が置かれています。怪異事件を解決していくうちに、ふたりの関係そのものも深まっていく。公式も、事件の真相だけでなく「不可逆な絆のドラマ」を前面に出しています。
見た目のかわいさと、都市伝説や心理的恐怖の組み合わせ。この時点ですでにかなり引きがあります。
シナリオは『わたなれ』のみかみてれん氏
シナリオを担当するのは、ライトノベル作家のみかみてれん氏です。代表作は『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』、通称『わたなれ』。2020年からダッシュエックス文庫で刊行され、シリーズ累計55万部を突破し、TVアニメ化もされた人気ガールズラブコメです。
みかみてれん氏は『Link!Like!ラブライブ!』のメインシナリオにも参加しており、少女同士の関係性や感情の揺れを描く仕事を積み重ねてきた作家です。
今回のコメントでも、自身について「女の子の巨大感情を書いて生きています」と表現しています。『MONOPHOBIA』が単なる怪異事件集ではなく、ふたりの少女の感情や関係性をかなり重要視する作品になりそうだと考える材料にはなります。
都市伝説ものに、少女同士の巨大感情。ここはかなり相性が良さそうです。
キャラクターデザインは緜氏――壱百満天原サロメのデザインでも知られる
キャラクターデザインとメインビジュアルを担当するのは、イラストレーターの緜(わた)氏です。
名前を知らなくても、「にじさんじの壱百満天原サロメのキャラクターデザイン」と聞けばピンとくる人は多いはず。さらに、電撃文庫『魔女に首輪は付けられない』の挿絵も担当しています。同作は第30回電撃小説大賞の大賞受賞作で、現在はコミカライズも展開されています。
緜氏は、女の子の表情、髪、リボンや布の描写を得意分野として挙げているイラストレーターです。『MONOPHOBIA』のメインビジュアルを見ても、ふたりの少女のかわいさを前面に出しながら、その背後に少し不穏な空気を置いているのが印象的です。
筆者も最初に見て、「この絵柄はかわいいな」と思いました。ホラーや都市伝説ものはビジュアルが暗くなりがちですが、この作品はキャラクターにまず目が行く。その入口の作り方は強いです。
Dendrobiumは2022年設立の新しい開発チーム
開発を担当するDendrobiumは、2022年に設立された新興のゲーム開発チームです。複数の国から集まったクリエイターで構成され、ゲーム業界で経験を積んだメンバーも参加していると紹介されています。
そして『MONOPHOBIA』は、Dendrobiumにとって初めての独立開発作品です。
つまり、「過去にこのタイトルを作った会社だから安心」というタイプの判断材料はまだ少ない。一方で、シナリオにみかみてれん氏、キャラクターデザインに緜氏、さらにパブリッシングに松竹ゲームズが入っている。新しいチームの第1作としては、かなり分かりやすい強みを揃えてきた印象です。
松竹ゲームズがパブリッシング
今回、松竹ゲームズが本作のパブリッシャーとして参加することも発表されました。
松竹ゲームズは近年、『MiSide : ミサイド』の国内展開や、『ヨグ=ソトースの庭』『BrokenLore: DON'T WATCH』など、個性的なインディーゲームを扱っています。特に『MiSide』は、美少女的な見た目と本格ホラーを組み合わせ、Steamで世界的に大きな人気を得た作品です。
『MONOPHOBIA』も、かわいい少女キャラクターと心理ホラー、ストーリー性を組み合わせる作品です。もちろんゲーム内容は別物ですが、松竹ゲームズがこういう「見た目だけでは終わらないインディー作品」を扱ってきた実績は、購入前に見る材料の一つになると思います。
TGS2026ではストーリーデモを初公開
2026年9月17日から21日まで開催される東京ゲームショウ2026では、松竹ゲームズのブースで『MONOPHOBIA』のストーリーデモが初公開されます。オープニング部分を実際にプレイでき、日本語キャラクターボイスも実装予定です。
今の段階では発売日は「近日登場」、価格は未定。対応プラットフォームはSteamで、日本語、英語、中国語、韓国語への対応が予定されています。
買うかどうかを見るなら、制作陣はかなり分かりやすい
まだ発売前なので、ゲームそのものの出来を断言できる段階ではありません。それでも制作陣を見ると、この作品がどこを狙っているのかはかなり見えます。
少女同士の感情を描いてきたみかみてれん氏。かわいい女の子のビジュアルで実績のある緜氏。初の独立開発作品に挑むDendrobium。そしてインディーゲームのパブリッシングを広げている松竹ゲームズ。
「かわいいキャラクターが好き」「都市伝説や怪異ものが好き」「少女ふたりの関係性をじっくり見たい」「ドット絵のADVが好き」。このあたりに複数当てはまる人なら、かなり相性が良さそうです。
自分も絵柄を見た段階では、ちょっと気になる側に入りました。あとはTGS2026のストーリーデモで、推理部分とふたりの会話がどこまで面白く仕上がっているか。そこを見てみたい作品です。
→ 松竹ゲームズ『MONOPHOBIA』公式ページ
→ Steam『MONOPHOBIA』ストアページ
主な参照先:
松竹ゲームズ『MONOPHOBIA』公式ページ
松竹株式会社「MONOPHOBIA 東京ゲームショウ2026出展」発表
集英社 ダッシュエックス文庫『わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』
INCOLORE 緜プロフィール
KADOKAWA『魔女に首輪は付けられない』
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