はじめて読んだのはおそらくは発売時だと思うのでずいぶんと経ってるんですね。
たぶん被っている人は少なくはないと思うのですが、私はメガテン、特にデビルサマナーが好きでそこからか京極夏彦さんのこの京極堂シリーズが好きなんです。民間伝承からくる宗教とか神話、民話の類とかそういうのが。
もう最初に読んだ時の記憶はほとんど残っていませんでした。正直印象に残らなった作品だったのかも。覚えていた事といえば知的障害持つ巨漢の坊主がありがちだし気持ち悪いしで大嫌いだった事、ホモォ~な事、敦子が崖かなにかから転落してけがをした事くらいかな。最後のやつは果たしてそんな描写あったのか定かではない。なにしろ二回目という事もあって飛ばしまくって読んでいたのでw
タグもついてますしネタばれですからね?いきますよ?
今この歳になったせいかかなり面白く読めました。案外京極堂シリーズでも上位に入るくらい楽しかった気もしますwたぶん上に書いた理由のほかに関口の描写が多かったからそこが受け付けなかったのでしょうね。私は一貫してあの関口というキャラが嫌いで嫌いで難渋しています。
もう鬱々としていてウジウジとしていて気持ち悪いなんてものじゃない。そのくせなにか自分を特別視しているような・・・もう本当に大嫌い。だから関口のあたりは結構シリーズでも読み飛ばす事が多いです。
鳥口は最初に読んだ時も思ったけど、また意図してそういう描写だったのだと思うけれど敦子の相手じゃないんでしょうかね。敦子が自分の事を鳥口に語ったシーンがあるのですが、こんな事はそう簡単には異性に伝えないような気がします。まあ鳥口は話しやすいキャラだったのかもしれないけれど、自分の本性を話すっていうのは意味ありげ。鳥口はイケメン設定だしからりとしたキャラでバイタリティにも溢れ、同じ雑誌記者で・・・と敦子の相手に登場したキャラな気もするけど、この後益田ともわりかし仲が良かったり、その後は一切敦子関係のロマンスはなくなっちゃいましたね。
すごく残念!同様の例としてこち亀・・・すげw変換一発!こち亀の両さんと麗子もあるけれどあちらはなんだかんだでくっつきそう。
敦子と同僚の女性、この女ひどいよなあ。あまり罪の意識なさげだけれど、あの大惨事はこの人があんな事しなければ起きなかったんじゃないの?まあ人間都合よく過去の記憶を改竄する事はままありますけど・・・もうちょっと強く懺悔してほしいというかなんというか。
鈴が娘じゃなく鈴子本人というのは…ギリギリありえるかなあと思える気持ちと、えええ、ちょっと無理がない?って気持ちの両方ですよねw戦後のあの当時はいろいろと不確かで不安定な時代だったってイメージがあるからなんとかあり得るのかもしれない?とは思うけど。まあそれは置くとしてかわいそうですよね。まあお兄ちゃんも両親惨殺なんてしなければ恐怖して殺そうとせず・・・でもそうすると鈴子は偏愛する父から離れられず兄とも添い遂げられないのか。しかし良くそういうただれた関係になれたなと今ふと思いましたw父親の目を盗んで。鈴子の死体が見つからなかったという落ちですが、私の中では単に見つからなかっただけで焼死してるんだろうという落ちです。もし生きていたとしても描写のしようがないというか鈴子の物語はあれでおしまい、という方が綺麗な気がする。
現代社会における仏教の生臭具合がへどが出るほどに大嫌いな私ですが…禅僧、とりわけこの物語に出てくる彼らは立派でした。こういう厳しい修行をしているからこそ御坊様と敬うし説法にも耳を傾ける気持ちになりますけどね、今の坊主はただの拝み屋というかなんのありがたみもないですよね。自分が禅をやったり修業をするつもりはないですが、知識として禅の知識をちょっと仕入れたくなりました。なので京極堂の蘊蓄をまた読み直してみようw
落ちの付け方は、まあ後味の悪くなるような悪人がまったく出てこないし読後感は良いと思います。さわやかw鈴子だけはかわいそうですけどねえ。最初に殺されたお坊さんも悪人というかまあ見事な坊主だなという感じだし、老師は若気の至りがあったとはいえこちらもご立派、あのロリコンはちょっと許す気にはなれないけれど、そういう性癖をもって生まれたら苦しいのかもしれないし、ごついお坊さんはかわいそうだった。正直ホモっけがあっても立派なお坊さんならいいと思うってあの人は無理やり手籠めにしようとしたから非はあるか。あの怯えて山を降りた坊さん、すっかり記憶が改竄されていてこの人がなにか悪い事をしたんだっけ?と思いながら読んでいたけどぜんぜん違いましたwすごく立派になった!でも殺されなかったって事は悟りは開けてなかったのかな。
山下さんも立派になりましたね。のちのシリーズでも出てくるけれど良い刑事さんです。
久遠寺のじいさんはかわいそうだなあ。娘さんもすべてをなくして・・・本当にかわいそう。
ラストでじこうさん?寺に火を放った美しい坊さん。彼はまったく悟りを開けてなかったんじゃないかなってのが私の感想。修行する事に快感を覚えていて何も身についてなかったんでしょうきっと。
まあ面白かった。またじっくり少しずつ読みたいと思いました。
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